2018年から、インターロイキン-4(IL-4)受容体抗体注射薬であるデュピルマブ(デュピクセントⓇ)が15歳以上のアトピー性皮膚炎患者さんに対して使用可能になりました。
デュピルマブを使えるのは、既存の治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎患者さんで、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などの抗炎症外用薬による適切な治療を一定期間施行しても、十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ患者さんが対象になります。
原則として、本剤投与時にはアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用薬を併用します。本剤はアトピー性皮膚炎の治療に精通した医師のもとで使われることを前提としています。
デュピクセント®の投与により、アトピー性皮膚炎以外のアレルギー性疾患の症状が変化する可能性があります。そのため、デュピクセント®の投与から中止した後まで合併するアレルギー性疾患の主治医と連携をしながら治療を進める必要があります。
アトピー性皮膚炎以外のアレルギー性疾患(喘息、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、じんましんなど)を合併している場合は、必ず皮膚科の主治医にそのことをお伝えください。 また合併するアレルギー性疾患の主治医にデュピクセント®を使用していることを必ずお伝えください。
自己判断で喘息、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、じんましんなどの治療薬を減量、中止せず、必ず主治医の指示に従ってください。
デュピクセント®は投与開始日のみ、2本を皮下注射します。その後は2週間に1回、1本を皮下注射します。
また、医師の判断のもと、患者さんご自身が注射を行う「自己注射」が可能です。
注射に適した部位は以下の3ヵ所です。
デュピクセント®の投与により、過敏症反応が現れることがあります。下記の症状がみられたら、投与を中止し速やかに主治医に相談してください。
主な症状
ふらつき感、息苦しさ、心拍数の上昇、めまい、嘔気、嘔吐、皮膚のかゆみや赤み、関節痛、発熱 など
※これらの症状がみられた場合には、次の受診日を待たずに、速やかに受診してください。
※これらの副作用は注射直後だけに起こるとは限りません。
以下の副作用が現れることがあります。症状が現れた場合には、速やかに主治医または看護師、薬剤師にお伝えください。
デュピクセント®を注射した部位に、発疹や腫れ、かゆみなどの症状がみられる場合があります。
口周りや唇に発疹などがみられる場合があります。
目やまぶたの炎症症状(赤み、腫れ、かゆみ、乾燥など)がみられる場合があります。
デュピクセント®の薬剤費 1本あたり ペン:58,775円 シリンジ:58,593円 |
ペンの場合 | シリンジの場合 | |||
初回 (2本) |
2回目以降 (1本) |
初回 (2本) |
2回目以降 (1本) |
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117,550円 | 58,775円 | 117,186円 | 58,593円 | ||
自己負担額 (窓口で支払う金額) |
3割 | 35,265円 | 17,633円 | 35,156円 | 17,578円 |
2割 | 23,510円 | 11,755円 | 23,437円 | 11,719円 | |
1割 | 11,755円 | 5,878円 | 11,719円 | 5,859円 |
令和4年8月現在のデュピクセント®の薬価をもとに計算しています。
3割:6~69歳、70歳以上で現役並み所得者
2割:70~74歳で一般・低所得者
1割:75歳以上で一般・低所得者(令和4年10月1日から、一部の方は2割負担になります)
下記サイトにご活用できる医療費助成制度が掲載されています。
また、高額療養費シミュレーションも可能です。ご参考にしてください。
下記サイトにデュピクセントについて詳細があります。
ご参考にしてください。